「起業家としてお金を稼ぎながら、子どもとの時間を確保しつつ生活していきたい!」
そうお考えのシングルマザーの中には、起業に必要な資金繰りに頭を悩ませているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
起業に関わる「助成金」「補助金」「融資」といった文字を目にしても、どういった制度に申請できて、実際に助成制度を利用できるのかどうか分からないことも多いですよね。
今回は、助成金・補助金・融資制度それぞれの違いを解説すると共に、女性起業家が利用することのできる公的資金ついて紹介していきます。
助成金・補助金・融資の違いとは?
起業をするにあたり公的資金を利用する際には、まずはそれぞれの公的資金の違いを把握しておくことが大切です。
こちらでは、助成金・補助金・融資制度の違いについて解説していきますね。
助成金
助成金は、主に厚生労働省が管轄しており、雇用に関する支援を目的に支給されるお金です。
雇用保険を財源としているため、労働者の環境改善や職業安定のために支給されるケースが多くなります。
助成金は返済する必要がなく、いつでも申請できるというメリットがありますが、支給には1年から1年半の期間を要します。
基本的に後払いとなっているので、申請が実行されるのを待っている間に資金繰りが悪化してしまわないように注意をしましょう。
補助金
主に、経済産業省や地方自治体から支給されているのが補助金です。
事業のサポートが主な目的なため、起業時に利用できるものが多くなります。
返済義務は必要なく、助成金と比べて支給額が大きくなる点がメリットですが、その分審査基準が厳しいのが特徴です。
応募期間は限定されており、応募者多数の場合には採択されない場合もあります。
地方自治体が主体となっている補助金には、地元の農業支援や地域開発など、その土地の特色を活かした制度が多くみられます。
融資
金融機関が融資先となるため、返済が必要になる点が、助成金や補助金と一番異なるポイントです。
融資先は銀行や信用金庫など多岐に渡りますが、なかでも日本政府が100%出資している「日本政策金融公庫」が広く知られています。
低金利・無担保・無承認でも融資は可能な場合がありますが、いずれも一定の条件をクリアする必要があります。
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シングルマザー起業家が知っておきたい助成金・補助金・融資制度
実際、シングルマザーが起業を考えた際に、一体どのような公的資金に申請することができるのでしょうか?
ここからは、数多くの助成金や補助金・融資制度の中から代表的な支援制度をご紹介していきますね。
トライアル雇用助成金
ハローワークが紹介している、安定的な就職が困難な求職者を雇用した場合に支給される助成金です。
求職対象者には、母子家庭の母や父子家庭の父も含まれています。
起業にあたり従業員を雇用する場合には、このような助成金を利用し、あなたと同じような環境のシングルマザーと共に仕事をしていくという選択肢も広がりますね。
参考 トライアル雇用助成金若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業は、東京都中小企業振興公社が実施している助成事業です。
東京都内の商店街で、女性や若手男性が新規開業をする際に経費の一部が助成金として支給されます。
このような起業を支援する助成金は、各地方によって様々に展開されています。
起業をお考えのシングルマザーは都道府県協会一覧から、ぜひ一度お住いの地域の情報を確認してみることをおすすめします。
参考 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業地域創造的起業補助金
かつては「創業補助金」という名前で支給されていた補助金で、平成30年からは「地方創造的企業補助金」と名称を変え、中小企業庁より募集が開始されています。
必要経費の1/2の範囲内で、外部資金調達がない場合には50~100万円、ある場合には50~200万円までの補助を受けることができます。
補助金の申請に関しては、各認定市区町村等による認定創業支援事業の支援を受ける必要があるのでご注意くださいね。
参考 地域創造的起業補助金ものづくり・商業・サービス生産性向上促進支援補助金
中小企業や小規模事業者等が取り組む、サービス開発や試作品開発に必要な設備投資等を支援する補助金です。
年に1度、全国中小企業団体中央会から公募が行われています。
補助金はその年度や地域よって募集内容や時期が異なるため、中小企業庁の委託事業のひとつであるミラサポで最新の情報をチェックしておくのがおすすめです。
参考 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金女性、若者/シニア起業家支援資金
日本政策金融公庫が展開する融資制度で、女性または35歳未満の若年層、55歳以上のシニアを対象としています。
運転資金としての融資限度は4,800万で、融資には一定の要件を満たす必要があります。
返済期間や担保の有無により、異なる利率が適用されます。
参考 女性、若者/シニア起業家支援資金まとめ|それぞれの制度違いを把握し起業に繋げよう!
主に従業員の雇用を対象とした助成金、創業時に利用できる補助金、返済が必要となる融資制度…と、公的資金はそれぞれ異なる特徴を持っています。
シングルマザーが起業する際には、それぞれの違いや内容を把握した上で申請・利用の検討が必要です。
お住いの地域の公的資金によっては、起業の職種の選択肢も広がっていきそうですよね。
助成金や補助金の内容は年度によって様々に変化していくため、今回紹介したウェブサイトで常に新しい情報をチェックしながら、シングルマザーの起業にぜひお役立てくださいね。

