子供の大学進学費用が必要になったときに考えるのが、教育ローンや奨学金ですよね。
教育ローンや奨学金は、それぞれ返済方法や金利・支給額が異なるため、利用前にしっかりと比較検討することが大切です。
国の取り扱う教育ローンや奨学金では、母子家庭の支援制度も活用できますよ。
この記事では、
- 奨学金
- 国の教育ローン
- 民間の教育ローン
これらの違いや特徴を、比較解説していきます。
大学進学費用の借り入れを考えている、母子家庭のお母さんの参考になれば幸いです。
教育ローンや奨学金はどこでうけられる?
教育ローンや奨学金は、国や民間企業・銀行など実にさまざまな団体が取り扱っています。
なかでも国の教育ローンや奨学金は利率が低く、制度が整っているため、多くの家庭で利用されているのが特徴です。
また、民間では、メガバンクをはじめとした銀行の教育ローンが代表的です。
ローンの内容は各団体によって異なるため、ひとつずつ確認していきましょう。
低金利が魅力!JASSO奨学金
借主 | 学生本人 | |
---|---|---|
利率 | 第一種 * 無利子 | 利息なし |
第二種 *有利子 | 固定方式 0.146% 見直し方式 0.001% * 2019年6月時点 | |
支給開始 | 入学後、本人名義の口座に毎月振り込まれる | |
返済開始 | 貸与終了(卒業時)翌月から7か月後 | |
借入額 | 毎月2~12万 |
文部科学省所管の独立行政法人である「日本学生支援機構(以下JASSO)」の奨学金は、大変低い金利で利用することができます。
参考 日本学生支援機構(JASSO)無利子である「第一種奨学金」は、学業成績優秀な学生や経済的に就学困難な学生に貸与されます。
有利子である「第二種奨学金」も、2019年6月現在、固定方式の利率は0.146% / 5年ごとに利率が変動する見直し方式は0.001%と、大変低い利率で借りられるのが特徴です。
また、奨学金には返済義務のない「給付型奨学金」制度もあります。
給付型奨学金は、学生が経済的な理由で進学をあきらめることのないよう、2020年4月からその対象が拡充された制度です。
世帯収入の基準が重視され「学ぶ意欲」があれば成績に左右されることなく支援を受けることができるため、学費に不安を抱える母子家庭にぜひ検討をおすすめしたい奨学金となっています。



母子家庭優遇制度がある国の教育ローン
借主 | 保護者 |
---|---|
利率 | 固定 年1.71% |
支給開始 | 受験前でも可能 |
返済開始 | 借入の翌月または翌々月 |
借入額 | 最大350万円 * 海外留学費用の場合最大450万円 |
借入期間 | 3年~15年 ※母子家庭優遇制度あり |
国の教育ローンとは、日本政策金融公庫が取り扱うローン制度です。
昭和54年の創設以来実に多くの実績があり、平成29年度の利用件数は11万件にも上ります。
奨学金とは違い、国の教育ローンは大学受験前から利用するできることが大きな特徴です。
「学費」というと主に授業料を思い浮かべがちですが、大学進学には受験前から実に多くの費用が必要となります。
受験料や試験会場までの交通費や宿泊費、合格が決まってからの住居費や入学金など、その都度まとまった金額を準備しなければいけません。
国の教育ローンは大学の受験前から申し込むことができるため、これらの費用を一度にまかなうことができます。
「連帯保証人を頼める人がいない…」
このようなシングルマザーでも、公益財団法人の保証機関を利用することができるので安心ですよ。
母子家庭には金利・返済期間・保証料優遇制度あり
国の教育ローンでは、母子家庭の優遇制度を利用することができます。
金利は1.31%に減率されるほか、最長15年までの返済期間が18年に延長されます。
保証人をたてられない場合に発生する保証料も、通常の3分の2と、母子家庭への支援が手厚いローンであることが特徴です。
民間の教育ローンにはみられない制度となっているので、ぜひ一度確認してみて下さいね。

民間(銀行)の教育ローン
数多くある民間お教育ローンのなかでも、代表的なのが銀行の教育ローンです。
銀行の教育ローンは、メガバンクや地方銀行・信用金庫などによってその金利や借入条件・金額もさまざまです。
大手銀行の教育ローン一例
借主 | 保護者 |
---|---|
利率 | 変動 3.9% |
支給開始 | 受験前でも可能 |
返済開始 | 借入の翌月または翌々月 |
借入額 | 30~500万円 |
借入期間 | 6か月~10年 |
銀行の教育ローンは、これまでに紹介した行政のローンに比べて利率が上がる分、借入額の上限が高く設定されているのが特徴です。
地方銀行や信用金庫によっては、大手のメガバンクより利率が低く・借入額も大きくできる教育ローンもあります。
銀行によっては保証人・保証料なしで借入できるなど、その条件もさまざまです。
奨学金や国の教育ローンと比べて、申し込みから振り込みまでの期間が短いケースが多く、小額から活用することもできるのでそれぞれの状況に応じて検討されるとよいでしょう。
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それぞれの特徴をふまえて上手に活用しよう
金銭的・経済的理由で子どもの夢である”大学進学”をあきらめさせるのは、母親としては心苦しいですよね。
ですので、母子家庭のなかには、子供が小さいうちに学資保険の代わりとして低解約返戻金型終身保険に加入し、大学進学資金を貯める予定のシングルマザーもいます。
後々返済が必要となる教育ローンや奨学金はできれば利用せず、貯蓄や保険の積み立てで大学進学費用を捻出したいところですが、家庭の状況によっては難しいのも事実です。
国の教育ローンや奨学金であれば、金銭面で不安を抱えるシングルマザーへの優遇制度が整っており、子どもと家庭の将来を見据えた返済プランを立てることができます。
お子さんがまだ幼ければ保険なども検討しながら、あなたの状況に合う奨学金や教育ローンについてぜひ調べてみてくださいね。
