私は離婚後、実家に戻ったタイミングで新しくフルタイムの仕事に就きました。
求職活動をする前は、
「子供は小さいけど、実家で子どもの面倒をみてもらえるから、仕事くらいすぐ決まるだろう。」
このように楽観的に考えていましたが、現実はそう甘くありませんでした。
実家暮らしでも、シングルマザーが職をみつけるのは簡単なことではなかったのです。
この記事では私の求職活動中に起こったことや、求職中に感じたことについてまとめました。
面接で聞かれること・答え方など、求職中のシングルマザーの参考になれば幸いです!
面接まで進めないことも…シンママの就職活動
私はハローワークで求職活動をしていました。
毎日ハローワークに通い、条件の合う企業情報を印刷しては窓口へ持って行くのですが、毎日毎日ハローワークの職員にハネられ続けました。
私の求職申込書には”子供がいること・配偶者がいないこと”が書かれており、それをみた途端にまず職員の顏が曇ります。
「お子さんに何かあったときはどうしますか?」
こう聞かれるたびに
「実家で実の両親と暮らしているので親が迎えに行きます。」
私はこう回答していました。
「ご両親がお迎えに行ったとしても、この会社は難しいです。」
毎回この繰り返しでした。
私は「子どもに何かあれば親が対応する」と言えば、仕事なんてすぐ見つかるだろうと思っていたのですが、現実は甘くなかったのです。
それでも懲りずに求人情報を印刷して職員に渡しては断られ、渡してはは断られ…繰り返しながら「この会社なら大丈夫でしょう」と、職員が電話をかけてくれた会社は5社ありました。
そのうちの3社からは履歴書を送るようにいわれましたが、結果は書類審査で不採用。
残りの2社は、職員が電話をかけた時点で「明日、履歴書を持参して面接に来てください。」と言ってくれました。
面接の日取りが決まった後、職員からは、
「保育園からの緊急連絡先はあなたではなくて、あなたのお母さんなどにするように。
そして、会社にもそのように対応することをきちんとアピールするように。」
しっかりクギを刺されました。
私が「わかりました」と答えると、「お願いしますよっ」とまたさらにクギを刺され…
「シングルマザーの就職活動は思ったより大変だ…」
しみじみ感じながら面接に臨んだことを覚えています。
ちなみに職員が会社へ連絡をとったとき、私のことを「母子家庭のお母さんです」と伝えています。
私は「会社側に断る余地を与えたのかな…」と思うと同時に、シングルマザーに対する偏見のようなものも少し感じたのでした。

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シングルマザーの面接
面接まで進むことのできた2社のうち、1社は採用担当者さんのクセが強くて、質問された内容が、
「あなたは自分の運が強いと思いますか?強いと思うのだとしたらその根拠は?」
「あなたの子供のころの夢はなんでしたか?そのころの自分に近づいていると思いますか?」
「障がい者やトランスジェンダーと働くことについて、あなたはどのように感じますか?」
このような質問でした。
この会社で受けた面接はシングルマザーに関する質問は特にありませんでしたし、結局不採用となったので詳細は割愛しますね。
そして、その後もう1社の面接を受けました。
結局はその会社でめでたく就職が決まり、働き始めてから今年でもう丸7年になります。
面接は一般的でしたし、また、シングルマザーに対する対応も一般的でした。
ですので、この会社の面接の話をしたいと思います。
シングルマザーの面接体験談
私が面接を受けたとき、面接官は3人いました。
私がシングルマザーだということを知っていたのは、面接官の中で1人だけ。残り2人の年配の男性は私の家庭の事情は知りませんでした。
そのため、面接のときに履歴書をみた途端、子供の年齢をまず聞かれました。
「今年の春から保育園に通い始めました。今年4歳の年少児です。」
「…まだ小さいんだねぇ。…旦那さんは…?」
こう言われた私は「えぇ、あの、その…いわゆる出戻りです。」と答えました。
そのとき、面接の場がなんとも言えない空気になったことをよく覚えています。
「えぇ~なんでシングルマザーを面接に呼んだんだ?面接したうえで落とさなきゃいけなくなるんじゃないか?」
このような面接官側の気持ちを感じたのです。
そんな空気のなかで面接は続きました。
次に面接で実際にきかれたことと、答え方についてお話ししたいと思います。
面接で聞かれたこと1 「お子さんに何かあったらどうしますか?」
シングルマザーは面接で絶対に質問されることですよね…。
前述の通り、わたしは実家の親が子どもの面倒やお迎えなどの対応をすると答えました。
さらにハローワークでクギを刺されたことを思い出し、
「保育園からの緊急連絡先は私の母親にしますから大丈夫です。」
こう伝えると面接官は、
「いや、や、そこまでしなくても大丈夫ですよ…と、思いますよ。」
そこまでしなくて大丈夫と言いつつ…「全然問題ありません!」という感じではありませんでした。
「それならば…まぁ…いいですかね…。」
こんな空気が流れていたように思います。
面接できかれたこと2 「残業はできますか?」
「うちは残業は推奨していませんので、基本的に残業はないと思ってください。ただ、繁忙期は多少残業をしていただく必要があるかもしれません。
そうなったとき残業はできますか? もし残業をお願いしたらどうしますか?」
「保育園の預かり時間が基本的には18時までなので、定時の17時半に上がって迎えに行きたいと思っています。
ですが、残業をする必要が出たときは親に迎えを頼みます。」
「残業するとしてもそんなに遅くまではできないでしょう?お子さんまだ小さいんだし…。」
「遅くとも18時半までには帰らなければならないですが、その時間までに終わらせられなかった場合、朝早く出社して仕事したいと思いますが可能でしょうか?」
「とはいっても、朝の4時とか5時とかに会社に来ちゃだめですよ(笑) 誰もいませんからね(笑)」
少し笑いがおき、面接の場が和んだことを覚えています。
面接を終えて
私はそのままこの会社に採用され、先輩がたにたくさんサポートをしてもらいながら、勤務期間は今年で8年目を迎え、丸々7年間も働いています。
子供も大きくなり、私がシングルマザーや子持ちの後輩をサポートする側になりつつある今、面接を受けた当初と気持ちが変わってきています。
子供がいる後輩に対して「早退や欠勤で仕事に穴を開けられたら困る」と思うよりも「お子さんに何かあったとき、後輩やお子さんがつらい思いをするんじゃないか?」と思うようになったのです。
もしかしたら、あのときの面接官もそんなふうに思っていたのかもしれないなと思ったりもします。
ただ、多くの会社が気にするところは、やはり「子供が急に病気になったらどうするの?」ということや「残業を頼んでもいいの?」ということです。
シングルマザーでなくても、共働きの子持ちの女性だと必ず聞かれる質問でしょう。
実家で両親といっしょに住んでるから大丈夫だろうと甘く考えた私ですが、実際はとても厳しいものでした。
ですので、近くに頼れるご両親がいないシングルマザーの求職活動はいっそうシビアなものになるでしょう。
親の手助けを得られない場合は、病児保育の登録をしていることや地域の子育てサポートセンターに依頼をしてあることなど、子どもに対する対策は万全であることを、強く面接の場でアピールする必要があります。

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最後に
シングルマザーが面接に合格し、その職場で気持ちよく働けるのかどうかは”会社の方針”に大きく左右されます。
会社の女性社員の割合や、その中で子持ちのお母さんがたくさん働いているかなど。
ただ、これは第一関門である面接を通過してみないとわからないことですよね。
求職中のシングルマザーができることは、会社がもっとも気にする「子供に関すること」に対する対策と回答を万全にしておくこと。
そして「なにかあっても準備しています!」と話せることがとても大事です。
また、正社員にこだわりがある方もいるかもしれませんが、子供が大きくなるまでは時間の融通が効く派遣社員など検討してみるのもおすすめですよ。

