離婚をするにあたり、妻が夫からもらえるお金は4種類もあるということをご存知でしょうか。
離婚を成立させることに必死になりすぎて、
「一刻もはやく離婚したい…」
焦って離婚をすすめてしまい、取り逃しているお金があるかもしれません。
意外と知られていない費用の請求も可能であったり、知っておくことで得することも多いんですよ。
基本的に、離婚で相手方に請求できる可能性のあるお金は全部で4種類あります。
- 慰謝料
- 財産分与
- 婚姻費用
- 養育費 *子どもがいる場合
慰謝料や財産分与・養育費はよく耳にする言葉ですが、「婚姻費用の請求」に関してはあまり聞いたことがないのではないでしょうか。
「婚姻費用ってなに…?」
こう思った方、この”婚姻費用”はわりと大きな金額になるんです。
今回は離婚で請求できる4つのお金「慰謝料・財産分与・婚姻費用・養育費」について、それぞれ解説していきます。
離婚で妻が夫に請求できる・もらえるお金4種類
1 慰謝料
慰謝料は精神的な苦痛に対する損害賠償金です。
精神的・肉体的苦痛を受けた側を金銭によって償う側面と、苦痛を与えた側への懲罰を与える意味も含んでおり、浮気など離婚の原因を作ったほうが支払う費用です。
もらえる金額
例えば、浮気の場合、夫が普通のサラリーマンであれば慰謝料は多くても200万円までになることが多いです。
また、浮気をした夫(妻)への請求だけでなく、浮気相手にも請求することが可能です。
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2 財産分与
財産分与とは、離婚するふたりの財産を分割することが目的で、対象となるのはあくまで「結婚してから」形成された財産だけです。
つまり結婚前に持っていたお金は関係ないということで、この点は注意が必要です。
もらえる金額
財産分与はあくまでも結婚期間中に協力して形成・維持してきた財産にのみ適用されます。
また、慰謝料とは違い、離婚の原因をつくった方でも平等に請求する権利があります。
3 婚姻費用(コンピ)
婚姻費用とは、衣食住にかかる費用をはじめ、交際費や接待費・子供の教育費など、夫婦やその子供が共同生活を送るうえで必要な費用の総称のことです。
弁護士業界では、婚姻費用のことを略して「コンピ」と呼ぶこともあります。
ちなみに、このコンピは ”婚姻状態である期間であれば”請求が可能です。離婚が成立すると請求できなくなりますので、その点はご留意くださいね。
夫婦はお互いの生活を同等に維持する義務を負っており、収入の多い方が収入の少ない方に資金援助する必要があります。
そしてその権限は離婚が成立するまで存続します。
一点注意点としては、コンピも慰謝料と同じく、あなたの身勝手な不倫などが原因で別居に至った場合などは、たとえ夫より収入が低くても婚姻費用分担請求は認められないか、もしくは認められたとしても大きく減額される可能性が高くなってしまいます。
ですが、子供の養育費や教育費にあたる費用は、あなた自身に非がある・ないに関わらず請求することが可能です。
婚姻費用シュミレーション
婚姻費用が実際にいくら貰えるかの計算は夫の収入・妻の収入・子供の有無や子どもの年齢によって変わります。
下記に2つの具体例をあげて紹介しますね。
1. 夫:年収511万円 | 妻:年収272万円 [子供なしの場合]
国税庁が発表した日本人の男女別の平均年収で試算した場合、夫から妻には月々2~4万円が支払われなくてはなりません。
2. 夫:年収500万円 | 妻:専業主婦 [14歳以下の子供2人の場合]
上記のパターンの場合、夫から妻には月々10~14万円が支払われなくてはなりません。
婚姻費用については、子どもがいる家族・妻が専業主婦している場合など様々なパターンが考えられますが、支払われる側の収入が少なく、さらに子供がいる場合は多くの金額を請求できます。
また、別居していても、ふたりが婚姻状態である期間中はずっとコンピを請求する権利があります。
離婚は成立するまでに少なくとも数か月〜数年と時間がかかりますよね。
つまり、長く別居しているとその期間分だけお金を請求することが出来るということです。
上記の1のパターンでも、1年間別居状態が続いていれば約20~50万円になります。
コンピの知識がないだけで、この金額を請求しそびれてしまうのはもったいないですよね。
シングルマザーとして子どもと新しい生活を始める準備金としても、貰えるお金は是非とももらっておきましょう。
4 養育費
離婚が成立すると婚姻費用の請求はできなくなり、請求できるのは子どもを養育する費用である「養育費」のみになります。
養育費は婚姻費用と考え方が異なり、所得の多い方(父 or 母)が子供と同居していると仮定した上で、養育費の金額が決まります。
養育費シュミレーション
養育費についても2つ実例を紹介します。
1. 夫:年収511万円 | 妻:年収272万円 [14歳以下の子供2人の場合]
親権を持たない側から月々およそ4~6万円が、親権を持つ側に支払われます。
2. 夫:年収600万円 | 妻:専業主婦 [14歳以下の子供2人の場合]
親権を持たない側から月々およそ8~10万円が、親権を持つ側に支払われます。
養育費は子供が自立するまで支払われます。
ちなみに「自立」の基準については各家庭によって異なり、子どもが高校を卒業するまでや大学を卒業するまで、など様々です。
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まとめ
以上、離婚でもらえる4つのお金についてを紹介しました。
婚姻費用(コンピ)についてはご存じなかったという方、おそらくおられるのではないでしょうか。
このコンピは婚姻関係にある期間中であれば数万円を月々請求できる権利です。
毎月数万円を積み重ねるとなると大きな金額になりますよね。
離婚後、ひとり親になってから貧困におちいってしまう母子家庭も多くあるため、是非このコンピの知識を利用して離婚後の生活に役立てられるよう備えましょう。
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最終的にあなたとお子さんを守るためにも大切な時間になるはずですよ。