私が離婚したのはなんと妊娠中、22週前後でした。
離婚理由は元夫曰く「このまま結婚生活を続けていける気がしなくなったから」とのことでした。
私の場合、離婚理由ははっきりとわかりません。
元夫とは付き合って1年後に入籍、妊娠したのはそれから半年後でした。
付き合ってすぐに結婚前提で同棲を開始したのですが、私の希望で当時から寝室は別。
とはいえ、夕食後に晩酌をしたり、休日は一緒に外出したりと一般的な夫婦生活を送っていたと思っていました。
夫婦のすれ違いの始まりは、つわりが治まったころ
つわりが始まってからは、仕事や家事・入浴といった最低限度の生活はなんとかこなせるものの、吐き気や眠気のためそれ以外の時間は常にベッドで横になっていました。
仕事量もセーブして早めに帰宅するようにしていたため、平日は帰宅が終電近くなることが多い夫と顔を合わせることが少なくなっていました。
それでも妊娠初期は妊婦検診に付き合ってくれたり、帰宅のときに「なにか食べたいものはない?」と連絡をくれたりと、夫との関係に問題があるようには感じられませんでした。
しかし1か月ほど経ち、夫が急に、
「おまえからの愛情が感じられない」
こんなことを言い出したのです。
家にいても会話もない・顔を合わせることもない。こんな状態で夫婦といえるのか、と。
「つわりでしんどいんだから仕方ないじゃん」
そのときはこう思いましたが、確かに私の態度にも問題があったかもしれないとも考えて反省し、ちょうどつわりも治まってきたころだったので、お菓子をつくって試食をお願いしてみたり、休日に散歩や買い物に誘ったりと積極的にコミュニケーションをとるようにしました。
ところが夫はそのころからオンラインゲームにはまり、平日・休日問わず、家にいるあいだは自室にこもってゲームに興じるようになりました。
私が散歩や買い物に誘っても「今抜けられないからちょっと待ってて」と言われ、一向に切り上げるそぶりがみえないため、結局一人で外出するといったことも度々ありました。
子供の性別や名づけについての会話は全くと言っていいほどありませんでした。
世の夫婦が奥様の妊娠中、どのように過ごしているかというデータは私の中に全くありませんでしたが、さすがに私たちの状況はおかしいのではないかと思い始めていました。
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突然切り出された離婚話
子供の性別がほぼ確定し、その日は夫も比較的早く帰宅したため、夫がオンラインゲームを始める前にその性別を伝えました。
するとそのそのとき突然、
「離婚しよう。お前とこのまま結婚生活を続けていける気がしない」
このように伝えられたのです。
「はぁ?」
こう思う一方、なんとなく予想した展開ではありました。
私も正直、それまでの夫の態度に不満が募っていたので、離婚の意思を告げられたことはさほどショックではありませんでした。
ですが、これから産まれる子供のこともあり、そのときは離婚を回避したいと思ったんです。
「私に対する不満は改善するから考え直してほしい」
夫にはこう伝え、それまで以上に夫とコミュニケーションを取るよう努めましたが、夫は私を避けるようになる一方で関係が改善されることはありませんでした。
突然の夫の家出
そんなある日、夫が突然隣県の賃貸マンションを契約してきたのです。
それまで夫婦で住んでいたマンションは比較的家賃が高かったため「子供が産まれて私が仕事を辞めたら、夫の収入だけで生活していくのは厳しいかもしれない」という話は度々出ていました。
ですが、産休・育休後に元の職場へフルタイムで復帰することは決まっていましたし、休暇中の諸手当や貯金もあるため、当面の生活に困窮することはないだろうという結論が出ていました。
しかし夫は水面下で隣県をターゲットに物件を探しており…あろうことか勝手に賃貸契約をしてきたのです。
もちろん当時住んでいたマンションの解約手続きも済ませて。
夫が勝手に契約してきた部屋は、間取り的には家族で暮らせる広さだったので、離婚前提で一人暮らしをするための物件というわけではなかったかもしれません。
ですが、そのマンションから産院までは2時間以上かかるのです。
妊婦検診であればなんとか通えるかもしれませんが、いざ産気づいたとき、タクシーを使ったとしても安全に病院まで行ける保証がありません。
さらに私たち夫婦は猫を飼っていたのですが、夫が選んだマンションはペットの飼育が不可でした。
とても私や産まれてくる子ども、愛猫のことを考えて契約した物件とは思えませんでした。
家庭内別居から離婚へ
その時点でもう、夫を問い詰める気も離婚を回避する気もなくなりました。
夫にLINEで離婚を受け入れる旨を伝え、翌日から自分も物件探しと弁護士への相談をはじめました。
そうして改めて話し合いをすることもなく、私に先立って夫がマンションを退去するまでは家庭内別居状態で過ごし、その流れのまま離婚となりました。

離婚後の私の心境
夫が離婚を匂わせるようになってからは、これからの生活に対する不安や夫への不満…そして「なんとかして離婚を回避しなければ」という焦りや、妊娠中の体調不良により毎日ストレスを感じながら過ごしていました。
ですが、いざ離婚を受け入れて弁護士との契約や新しい住居が決まると、それからは新たな生活に向けて前向きな気持ちになることができたんです。
自分でも驚くほどそれまでのストレスから解放されました。
すでに大きくなったお腹を抱えて新居の家電や家具を探しに出かけたり、子供の出産準備を始めたり…日々わくわく、穏やかな気持ちで過ごすことができました。
子どもとふたりで過ごす新しい住居は、実家の近くに決めました。
もともと産院へも実家から通う方が近かったため、妊婦検診への通院も以前より楽になりました。
もちろん陣痛は一人で迎えましたが、出産経験のある友人達と、
「陣痛来たかも!」
「これっておしるし!?」
など、LINEで盛り上がっていたため不安や寂しさは一切感じませんでした。
出産は母に立ち会ってもらい、初産ながらかなりの安産で無事出産することができました。
その後の生活も両親の助けがあったこそではありますが、楽しく穏やかなもので、今は離婚して本当によかったと感じています。

