シングルマザーが保育士として転職したいとき、一体どのようなポイントを大切に求人を探したらよいのか迷ってしまいますよね。
収入や各種手当、正社員なのかパートなのかという勤務形態、その条件は求人情報によって様々です。
シングルマザーとして子どもと暮らしていくためには、やみくもに仕事を検索してはいけません。
今回は、働きながら保育士資格を取得した筆者が「シングルマザー保育士の求人の探し方」についてご紹介いたしますね。
ぜひあなたに合った職場選びの参考になさってください。
シングルマザー保育士の悩み
「自分ひとりで子どもとの生活を支えていけるのかな…」
このように考えるシングルマザーは多いのではないでしょうか。
安定した収入が欲しい
厚生労働省の調査によると、平成27年度の母子世帯の稼働所得は約214万円。
出典:厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査の概況」
対して児童のいる世帯の収入は約648万円と実に3倍近くの収入の差があることが分かります。
社会保障給付金や児童手当等のフォローはあるものの、まだまだシングルマザーの収入が低いのが現実です。
子どもと過ごす時間が少ない
シングルマザー保育士が収入面を安定させることを考えると、やはり「正社員になること」が一番の選択肢としてあがってきます。
ですが、保育士の勤務は早朝保育や延長保育があることも多く、勤務時間が安定しないことも多いですし、さらに正社員となると残業や持ち帰り仕事などが増え、
結果、
といった悪循環のジレンマに陥ってしまうことも…。
今の生活を早く安定させなければ!とせかされる気持ちにもなりますが、シングルマザーだからこそ子どもとの将来を見据えた職場選びが大切になるのです。
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シンママが保育士求人でチェックすべきポイント
他の職種と比べ、賃金が低いと言われ続けてきた保育士ですが、国の「待機児童解消加速化プラン」によりその待遇は改善されつつあり、平成24年から29年の間に年収は全体の約10%+最大4万円まで増加しています。
キャリアアップ制度も導入され、今後保育士の更なる処遇改善が期待されるところです。
シングルマザーにとって、国家資格である保育士は子どもとの生活を支える大きな力となり得る資格です。
とはいえ、やみくもに「保育士求人」というくくりだけで職探しをしてしまうと、前述のように「結局仕事が続けられない…」といった事態になることは容易に想像できてしまいます。
ここからは、そんな状態を避けるためにも「シングルマザーが保育士求人を探すときに重視するべきポイント」を紹介します。
子どもと休日を過ごせる?「週休二日制」
保育士として働く施設によっては、土日祝日の勤務が必要な場合もあります。
近くに頼れる人がいないシングルマザーの場合、土日祝日の勤務がある職場では、子どもを預けることが難しく母子ともに負担となってしまうことも。
施設によっては子育支援の制度を設け、土日勤務は考慮してくれるケースもあるので雇用条件をよくチェックしてみましょう。
母子家庭だからこそ安定した収入を「正社員雇用」
厚生労働省によると、平成28年度の保育士の平均年収は327万円となっています。
これは前述した母子家庭の稼働所得と比べて100万円以上も多いです。
キャリアアップ制度により平均給与が増加することを考えると、シングルマザーとしては長期的な正社員雇用を希望したいところですね。
長く働ける?「有給取得率・低離職率・復帰率」
保育士が仕事を辞める理由としてあげられるのが下記です。
- 不規則な勤務時間
- 残業の多さ
- 人間関係の難しさ
子どもが突発的に病気になっても有給の取りやすい職場か、離職者が少なく産後も保育士が戻ってきたいと思える職場かどうかは、シングルマザーが長く勤められる職場を見極めるための大きなポイントとなります。
また、しょっちゅう求人を見かけるような職場は、離職率が高く常に人手不足のケースも…。
就業前の施設見学ができる職場もあるので、しっかりと見極めましょう。
子どもを家で待たせたくない「時短勤務・残業有無」
延長保育や残業で家を空ける時間が増えると、シングルマザーにとっては家に残してきた子どもが大きな心配ごととなりますよね。
短時間正社員制度が導入されているか、残業の有無を記載しているかなどは大きなチェックポイントです。
知らないと損!「各種福利厚生」
「福利厚生が充実した職場です」という求人を見かけることも多いと思いますが、実際に「福利厚生」とは何を指しているのでしょうか?
一般的に福利厚生というと社会保障や健康保険を思い浮かべがちですが、保育士に限ってはそれだけではありません。
宿舎借り上げ支援
宿舎借り上支援とは、国の「保育士宿舎借り上げ支援事業」による助成金を利用した福利厚生です。
保育施設が有する社宅の費用を国が一部負担してくれるため、家賃が通常の1割程度におさえられるケースもあります。
経済的な負担が多いシングルマザーにとって、とてもありがたい福利厚生ですよね。
他にも引っ越しをする際の「引っ越し支援手当」を福利厚生に掲げる施設もあります。
シングルマザーとして新しく生活を始める保育士にとっては見逃すことのできない制度です。

シングルマザー保育士におすすめの職場
保育園に勤務するときには、「公立」か「私立」かによってその給与は大きく変わります。
厚生労働省による「幼稚園・保育所等の経営実態調査結果」(収支状況等)によると、公立保育園の年間平均給与は約290万円。
一方、私立保育園の年間平均給与は約260万円と30万円近い差があることが分かります。
地方公務員である公立保育園の保育士になるためには、自治体の採用試験を受けなければなりません。
自治体によっては難易度や倍率が高く、年齢制限が定められている場合もあります。
ですが、保育士として活躍できる場は保育園だけではありません。
認定こども園や小規模施設・企業内保育所など選択の場は多岐にわたります。


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今注目の企業内保育所
保育士が働く場として今注目を集めているのが「企業内保育所」です。
企業内保育所とは、企業等が従業員の子どもをあずかることを目的に事業内または隣接地に設けた保育施設のことです。
対象の事業所には国から補助金が援助され、平成29年時点で全国に約4,800の施設が設けられています。
待機児童問題を抱える働く女性の大きな味方となってくれる企業内保育所は、今後もニーズの高まりを見せる施設として注目を集めています。
シンママが企業内保育所で働くメリット
企業によっては給与が高い
事業内保育所の給与は母体となる企業によって様々です。
働く従業員と同額の給与を設定するところもあり、場合によっては私立保育園の平均給与を上回ることもあります。
土日祝日休みが多い
従業員に合わせた運営となるため、土日祝日休みの企業であればシングルマザーでも子どもと過ごす休日を確保することができます。
少人数制が多くアットホーム
少人数制の運営が多く行事が少ないため、残業や持ち帰り仕事といった負担が少ないことも特徴です。
充実した福利厚生
母体である企業に沿った福利厚生を提供している企業が多く、育児休暇・看護休暇・時短勤務や託児施設が充実しており、働くシングルマザーにとって嬉しい内容となっています。
子どもと一緒に企業の福利厚生施設の優待利用を受けられるケースもあります。
シンママが企業内保育所で働くデメリット
企業が運営する企業内保育所はその運営方法によっては閉鎖される可能性もあります。
また、限られた設備での保育や保育内容のレポート提出など、社員の一人として企業のニーズに即した保育支援を求められることになります。

シングルマザー保育士として自信をもって働くために
シングルマザーとして保育士の求人を探すときには、週休二日制や充実した福利厚生など、あなたの譲れない条件をしっかりと把握しておくことが大切です。
生き方の多様性が進む現代社会で、様々な悩みを抱える保護者や子どもに寄り添うときに、シングルマザーの視点や経験はとても大きな強みとなります。
何より保育士としてやりがいを感じながら働く母親の存在は、自分の子どもにも大きな影響を与えるでしょう。
ぜひ、保育士という仕事に誇りをもっていきいきと輝いてくださいね。