「資格なしのシングルマザーが介護士資格を取りたいけど、最短で最安の資格取得ルートって何だろう?」
多くの介護職向けスクールや通信講座があるなかで、シングルマザーが働きながら介護士資格を目指す場合、注目したいのがその費用と時間ではないでしょうか。
今後、ますますその必要性が高まると言われ、将来性のある仕事である介護職員。
介護福祉士は国家資格ですので、経済的にも社会的にも安定したいシングルマザーに非常におすすめの資格です。
今回は、実際に介護現場で働きながら介護福祉士となった筆者が、シングルマザーが「働きながら介護士資格取得を取る、最短最安のおすすめルート」をご紹介します。
介護福祉士をゴールとした介護職のキャリアパス
ひとくちに「介護士資格」といっても、介護系の資格のなかでも、いくつか種類があることをご存じですか?
国家資格である「介護福祉士」を到着点とする介護職のキャリアパスは、次のように考えられています。
130時間のカリキュラムと修了試験(筆記)
450時間以上のカリキュラム
実務研修修了
年に一度の介護福祉士試験(国家資格)に合格
実はそれぞれの資格によって、資格要件も必要な費用も変わってくるのです。
シングルマザーが最短・最安で介護士資格を取得するためにはどうすれば良いのか、早速チェックしてみましょう。
介護職員初任者研修
介護職員として働くうえで、基本となる知識技術を修得するための研修です。
無資格・実務経験なしでも受講でき、介護職の入門編とも言える資格となっています。
資格取得のメリット
介護資格の基本ともいえる初任者研修は、多くの事業所が採用時の第一条件に掲げる資格でもあります。
現在人材不足が叫ばれる介護業界で、初任者研修を保有していることは高く評価され、就職率アップや給与面での待遇を期待することができます。
期間 | 最短1か月 |
---|---|
資格取得費用 | 4~8万円 |
受講内容 | 130時間のカリキュラムと修了試験(筆記) |
介護福祉士実務者研修
幅広い利用者に対する基本的な介護提供能力の取得と、医療的ケアに関する知識と技能を修得するための研修です。
また、介護福祉士試験を受験するために必ず必要とされている資格でもあります。
介護初心者でも受講することはできますが、難易度が高くなるため、初任者研修を取得した後、ある程度実務経験を重ねた方におすすめの資格となります。
資格取得のメリット
各事業所に必ず設置が定められている「サービス提供責任者」になることができます。
また、介護福祉士受験の必要条件のひとつを満たすことができます。
期間 | 6か月以上 |
---|---|
資格取得費用 | 8~19万円 |
受講内容 | 450時間以上のカリキュラム * 費用と期間については、初任者研修資格の有無によって変動することになります。 |
介護福祉士
介護職のキャリアパス最上位に位置づけられる、介護職唯一の国家資格です。
資格の取得には、
- 実務経験ルート
- 福祉系高校ルート
- 養成施設ルート
上記の3つのルートがあります。
シングルマザーが働きながら介護福祉士資格を目指す際には、実務経験ルートが最短で最安の方法だと言えるでしょう。
資格取得のメリット
介護福祉士は、資格の更新や期限のない国家資格です。
そのため、一度資格を取得すれば一生保有し続けることができます。
国家資格を持っていることで年収があがる他、就職や転職の際でも、希望条件に合う職場を探しやすくなるでしょう。
介護福祉士の資格要件
未経験者や初心者でも受講可能な「初任者研修」と「実務者研修」に対し、介護福祉士資格を実務経験ルートで取得するためには、以下の3点が必要となります。
- 3年以上の実務経験
- 実務研修修了
- 年に一度の介護福祉士試験に合格
実務経験が必要となる国家資格ですので、「働きながら」資格取得を考える場合、その職場は必然と介護職になるでしょう。
介護福祉士資格の取得費用
養成スクールでの受講が必要な初任者研修や実務者研修と違い、介護福祉士資格は、年に一度の国家試験に向け、あくまでも自分自身で勉強を重ねることになります。
最低限必要な費用は受験手数料のみとなり、その受験費用は、2019年現在、15,300円となっています。
試験対策としては、市販されている参考書や過去問題集を使って独学で勉強する方法が一般的です。
また、介護職エージェントの運営するスクールを経由すれば、受験対策講座を格安で受講できる場合もあります。
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働きながら介護士資格を取る最短ルート
初心者でも取得できる初任者研修と実務者研修は、介護以外の他業種で働きながらでも、通信講座やスクーリングを組み合わせて受講することができます。
一方、介護福祉士の資格取得を目指す場合は、
- 3年間の実務経験
- 実務研修修了
この2点が受験の必要条件となります。
以上のことを考慮した場合、シングルマザーが働きながら介護士資格を最短で取得するためには、介護現場で働きながらステップアップを重ね、介護資格の最上位である介護福祉士を目指すことが最短であると言えるでしょう。
その足掛かりとなる「初任者研修」を受講する際には、受講費用や就職先をフォローしてくれる学校を選ぶのがおすすめです。
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最安で介護士資格を取得する方法(無料あり)
介護職員初任者研修と実務者研修は、全国各地の指定校やハローワークの職業訓練校で受講が実施されています。
それぞれの学校で受講料を軽減できる策がとられているため、あなたに合う方法で、費用をおさえて介護士資格の取得を目指しましょう。
職業訓練校(無料)
ハローワークの職業訓練校では、仕事を探している人や資格取得・スキルを求める人に対して、職業技術を無料で身につける制度が実施されています。
シングルマザーが、職業訓練校で資格を取得するメリットとデメリットをご紹介しますね。
メリット
- 受講料が無料
- 本人や世帯収入等の一定条件を満たす場合、月額10万円の給付金と通勤手当を支給
- ハローワークからの就職斡旋
デメリット
- 受講には面接試験を通らなければならない
- 受講中の生活費の捻出
- 別途テキスト代が必要
- 受講日は設定されており、簡単には休めない
資格取得費用を軽減したいシングルマザーにとって、職業訓練校の「受講料無料制度」はとてもありがたい支援ですよね。
しかしその一方で、受講中の3~6カ月の生活費を捻出しなければならない点は、シングルマザーの心配ごとのひとつでもあるのではないでしょうか。
一定の条件を満たせば月額10万円の給付金を受けることができるものの、職業訓練校の多くは平日の日中にスケジュールが組まれているため、働きながら受講したいシングルマザーには負担となることもあるでしょう。
また、税金を財源としている職業訓練校には一定の規則があり、休みや遅刻早退の際には届け出が必要となります。
既定の出席率をクリアする必要もあるため、子どもの突発的な急病等で休む必要のあるシングルマザーにとっては、スケジュール管理が難しくなることもあります。
そのため、無料で内容の充実したカリキュラムを受講できる職業訓練校は、一定の蓄えがあり、日中の子どもの預け先を確保できるシングルマザーにおすすめの資格取得法と言えるでしょう。

指定スクール専門講座(一部無料)
介護職員初任者研修や実務者研修の講座は、全国の各指定校で随時開催されています。
修了にはスクーリングが必須となる科目もあるため、多くの講座やスクールのなかから選ぶ際、自宅から通える範囲内のエリアを選択することがポイントです。
最短で資格取得できるコースから、週に2日のみ、土日のみといった多くのコースが用意されているので、忙しいシングルマザーでもスケジュールに合わせて無理なく資格取得することが可能となっています。
スクール選びのポイント
シングルマザーにとっては、学校にかかる費用が気になるところですよね。
最安で資格取得を目指すシングルマザーには、「職業訓練給付制度」の対象となっている講座を選ぶのがおすすめです。
職業訓練給付制度では、
- 受講にかかった費用の20%
- 最大10万円まで給付金支給
給付金の支給には雇用保険に関する一定の条件があるものの、この制度を利用すれば、実質無料で受講可能となる講座もありますよ。
就職を条件に無料受講
また、就職先をサポートしてくれるスクールの中には、紹介先に就職することを条件に、
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士(受験対策)
これらの介護士資格に関する講座の受講料を無料で提供していることもあります。
紹介された介護系の職場で働きながら講座に通えば、その期間は実務経験期間としてカウントされることになります。
将来の介護福祉士資格取得にも大いに活かすことができますね。
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無資格者と介護士資格保有者の収入の違い
前述の通り、多くの支援制度があるとは言え、資格取得費用と時間、そして勉強を必要とする介護士資格。
「介護士資格、無資格と資格保有者でどんな違いがあるの?」
このように思ってしまいますよね。
介護士資格を有する一番のメリットは、やはり収入面の違いにあると言えるでしょう。
平成30年度 介護職員の平均給与額等(月給常勤の者)
平均年齢 (歳) | 平均勤続年数 (年) | 実労働時間数 (時間) | 平均給与額 (円) | |
---|---|---|---|---|
介護福祉士 | 43.3 | 8.4 | 163.0 | 313,920 |
実務者研修 | 45.9 | 6.5 | 165.1 | 288,060 |
介護職員初任者研修 | 45.4 | 6.8 | 164.2 | 285,610 |
保有資格なし | 38.7 | 5.2 | 163.5 | 261,600 |
出典:厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省の調査によると、介護福祉士と介護職員初任者研修を比べた場合、実労働時間数に大きな違いがないにも関わらず、その平均給与には28,310円の差があることが分かります。
無資格者と比較した場合は、そのお給料の差は52,320円まで広がることになりますね。
この平均給与は、月給に資格手当、更にボーナスが加算された上での計算となります。
介護士資格を有することで正社員として就職する道が大きく開け、手当やボーナスにより更なる年収の増加を見込むことができると言えるでしょう。
更に、2019年10月からは消費税率に引き上げに伴い報酬改定が行われ、勤続年数10年以上の介護福祉士について、月額平均8万円相当の処遇改善を実施することが厚生労働省から発表されています。
これらの流れからも、将来介護職で働いていこうという考えを持つシングルマザーにこそ、一日も早く資格取得へ向けて動き出すことをおすすめします。

介護資格を無料で取れる就職支援を利用し、実務経験を積むのがおすすめ
現在無資格のシングルマザーが、働きながら最短で介護士資格を目指す場合、まずは就職サポート体制の整うスクールや講座へ通うことが第一となります。
理由は、職業訓練校に比べて柔軟なスケジュールをとった講座が多数用意されているため、忙しいシングルマザーでも、仕事や子育てをしながら資格取得を目指すことが可能だからです。
他業種で働きながらでもそれらに通うことは可能ですが、介護資格の到着点である「介護福祉士」取得を最短・最安で目指す場合には、ぜひ介護職で働きながら実務経験を積みましょう。
将来の実務経験にカウントされるだけでなく、就職をサポートするスクールによっては、介護士資格の取得費用が無料となる場合もあるためです。
将来避けられない高齢化と共に人材不足が叫ばれる介護職は、これからも高いニーズを持ち続ける仕事です。
より希望条件に沿った職場に就職することが可能となるため、ぜひ介護士資格をお子さんとの生活の安定にお役立て下さいね。
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