幼児教育・保育料無償化が令和元年10月1日からスタートします。
8月5日からテレビCMもはじまり、子育て世帯でなくとも身近に感じる方も多くなっているのではないでしょうか。
子どもを保育施設に預けるシングルマザーにとっては、その内容は気になるところですよね。
今回は、新しくはじまる子育て支援制度「幼児教育・保育料無償化」についてご紹介します。
現在のひとり親家庭の減免制度
令和元年の幼児教育無償化へ向けた段階的な取り組みとして、現在、ひとり親世帯に対して以下のような政策が実施されています。
ひとり親世帯等の保育料負担の軽減措置 | |
---|---|
対象 | 世帯年収約360万円未満相当のひとり親世帯 |
対象施設 | 認可保育園・幼稚園・認定こども園・地域型保育事業 |
内容 | 保育料通常の半額、第2子以降は無料 * 減免金額の幅はお住いの市区町村によって異なります |
平成28年度の母子世帯の平均年間収入が348万円であることを考慮すると、対象となるシングルマザーも多いのではないでしょうか?
厚生労働省 : 平成28年度全国ひとり親世帯等調査
対象要件を満たすシングルマザーに対し、減免制度が儲けられていた保育料金の軽減措置。
令和元年10月からの新制度によって、どのように変わるのでしょうか?
スポンサーリンク
幼児教育・保育料無償化
幼児教育・保育料無償化は、幼児教育の重要性や子育ての負担軽減を考え、少子化対策を推し進めるために生まれた制度です。
消費税が10%に引き上げられる令和元年10月1日から実施され、3~5歳までの子どもの幼稚園・保育所・認定こども園などの利用料が無料となります。
子どもを保育施設に預けながら働いているシングルマザーのなかには、
「2歳までの保育料は無料じゃないの?」
「認可外保育施設は?」
このように疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
無償化には、いくつかの条件と申請が必要な場合があります。
新しい制度について早速詳しくチェックしてみましょう。
幼児教育・保育料が無償化となる対象施設
- 幼稚園
- 保育所
- 認定こども園
- 地域型保育
- 企業主導型保育事業
上記の施設であれば、国立・公立・私立の区別なく、全ての保育料が無償化の対象となります。
保護者負担となる給食費やその他費用
ただし、以下の費用については保護者負担となります。
- 給食費
- 行事費
- 通園送迎費
シングルマザーなら、
「保育料無償化といっても…給食費やおやつの費用は必要だよね…」
こんな心配もありますよね。
ですが、給食費については、
年収360万円未満相当世帯は副食おかず、おやつ等の費用は免除
このような条件が設けられています。
そのため、年収360円未満が条件である「ひとり親家庭保育料負担の軽減措置」を受けていたひとり親世帯であれば、給食費・食材料費も無償になります。

無償化の対象年齢
3~5歳児 | 全ての子どもの利用料が無料 |
---|---|
0~2歳児 | 住民税非課税世帯は無料 |
シングルマザー(寡婦)で、前年度の合計所得金額が125万円以下(給与収入204.4万以下)の場合は、住民税非課税の対象となります。
また、従来から「ひとり親家庭保育料負担の軽減措置」を利用していた方は、0~2歳児の保育料についても現行維持されるのでご安心くださいね。
認可外保育施設は無償?
働くシングルマザーのなかには、認可保育施設に空きがないため、認可外保育施設を利用されている方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回の「幼児教育・保育料無償化」制度では、認可外保育施設に対して次のような措置が取られています。
対象となる認可外保育施設
- 一般的な認可外保育施設
- 地方自治体独自の認証保育施設
- ベビーシッター
- 認可外の事業所内保育
- 一時預かり事業
- 病児保育事業
- ファミリーサポートセンター事業
対象年齢
3~5歳児 | 全ての世帯において、月額3.7万円まで無償(全国の平均保育料) |
---|---|
0~2歳児 | 住民税非課税世帯に限り、月額4.2万円まで無償 |
認可外施設を利用している場合でも、全国の平均保育料と同額までの無償措置を受けることができることになります。
ただし、そのためには「保育の必要性」の認定を受ける必要があります。
それには就労の要件を満たす必要もあるので、お住いの市区町村に早めに問い合わせしましょう。
また、無償化の対象となる施設は都道府県に届け出、国が定める基準を満たしている認可外保育施設に限られています。
ご利用になっている認可外保育施設の情報は「全国にある「認可外保育施設」の窓口情報一覧」か、お住いの市区町村で確認しておくことをおすすめします。

幼稚園の預かり保育も対象?
幼稚園の預かり保育とは、一般的な預かり時間である9時~14時以降にプラスして、子どもを幼稚園で預かる保育サービスです。
夕方の時間帯だけでなく、早朝や夏休みなどの長期期間中にも預けることができます。
対象 | 3~5歳児クラスのみ |
---|---|
内容 | 普段の幼稚園の利用に加え、預かり保育の利用日数に応じて最大月額1.13万円まで無償 |
手続きは必要?
子ども・子育て支援新制度の幼稚園・認可保育所・認定こども園・地域型保育を利用している場合には、手続きの必要はありません。
それ以外の以下の施設を利用している場合には、申請手続きが必要となります。
子ども・子育て支援新制度に移行していない幼稚園 | 申請書類を幼稚園から配布 | 幼稚園を経由して市区町村に申請 |
---|---|---|
幼稚園の預かり保育認定こども園(幼稚園部分の利用) | 「保育の必要性の認定」の申請書類が幼稚園から配布 | 幼稚園を経由して市区町村に申請 |
認可外保育施設 | 「保育の必要性の認定」の申請書類を市区町村から配布 | 直接市区町村に申請 |
まとめ
月3~4万円の保育費が無償となる今回の公的支援策は、シングルマザーにとって経済的負担が軽減されるうれしい制度ですよね。
0~2歳児の保育料については、年収によりひとり親世帯の減免制度を活用できるので、ぜひお住まいの自治体へご相談ください。
また、認可外保育施設に子どもを預けている場合は、直接市区町村に申請手続きが必要となるので確認が必要です。
待機児童の受け皿の拡充、保育士の賃金引上げなどを含め、これからの国の子育て支援制度のさらなる前進を期待していきたいですね。
国のこういった貧しい母子家庭への支援は年々充実してきています。
是非様々な国の支援をうまく活用していきましょう。
