お金の不安を抱えるシングルマザーでも、必ず支払う義務が生じるのが税金。
日々の蓄えを増やすためにも、少しでも税金の負担が軽くなるに越したことはありませんよね。
「寡婦控除」のような母子家庭を対象とした制度は、シングルマザーの節税に繋げることができます。
また、所得控除の制度や、節税に繋がるお得な情報を把握すれば、年間に数万円単位の節税をすることも可能です。
今回は、節税効果の大きなシングルマザーだからこそ知っておきたい、節税対策についてご紹介します。
所得控除制度で住民税と所得税を節税する
会社員であれば年末調整、フリーランスであれば確定申告で決定する「所得税」や「住民税」は、年間の「所得」をもとに計算されます。
つまり、所得が控除されれば、そのぶん税金が抑えられるということ。
ここでは、所得控除の対象となる各制度について解説していきます。
寡婦控除
「寡婦控除」とは、シングルマザーのようなひとり親家庭に適用される、所得控除の制度です。
夫と死別、または離婚した後再婚してしおらず、扶養親族か生計を一にする子がいる人は「一般の寡婦」にあたり、所得が27万円控除されます。
また、所得金額が500万円以下の場合は「特別の寡婦」にあたり、控除金額は35万円になります。
「特別の寡婦」にあたる場合、住民税率は全国ほぼ一律の10%、所得税率は最低の5%だとしても、
住民税 | 350,000円 × 10% = 35,000円 |
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所得税 | 350,000円 × 5% = 17,500円 |
合計 40,500円が手元に残る計算となります。
会社員であれば、年末調整の時に支給される「扶養控除申告書」の書類で「寡婦」または「特別の寡婦」にチェックを入れるだけ。
「寡婦控除の申請を忘れていた」「知らなかった!」という時でも、過去5年分は後から申請することができるので、これを機にぜひもう一度確認してみてくださいね。
未婚ひとり親家庭のみなし寡婦控除【税軽減】シングルマザーのメリット・デメリット医療費控除
医療費控除は、その年の自分や家族の医療費が10万円を超える場合、還付金を受け取ることができる制度です。
医療費控除の申請は、年末調整ではなく確定申告によって手続きをする必要があります。
シングルマザーの場合、「ひとり親家庭医療費助成」によって、子どもと母親の医療費は低額、または無料となる場合がほとんどです。
そのため、年間の医療費が10万円を超えることは稀となるでしょう。
しかし、ここで注目したいのが、医療費控除は「生計を一にする親族」の医療費も対象になるということです。
同居している親族だけでなく、別居中の親の医療費も、場合によっては医療費控除の対象となることがあります。
「実親と同居しており生活費をひとつにしている」「別居の親族の生活費を負担している」というシングルマザーは、このあたりもぜひチェックしてみてください。
生命保険料控除
ひとりで仕事と子育てを両立するシングルマザーにとって、病気やケガなど、もしもの時の備えとなるのが生命保険。
年間の生命保険料もまた、所得から一定額を控除することができ、支払う保険料と契約時期によって、最大40,000円から50,000円が非課税対象となっています。
新契約(平成24年1月1日以降に締結した保険契約・上限12万円) | |
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年間の支払い保険料等 | 控除額 |
20,000円以下 | 保険料の全額 |
25,000円~40,000円 | 保険料 × 2分の1 + 10,000円 |
40,001円~80,000円 | 保険料 × 4分の1 + 20,000円 |
80,001円~ | 一律40,000円 |
旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約・上限10万円) | |
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年間の支払い保険料等 | 控除額 |
25,000円以下 | 保険料の全額 |
25,001円~50,000円 | 保険料 × 2分の1 + 12,500円 |
50,001円~100,000円 | 保険料 × 4分の1 + 25,000円 |
100,001円~ | 一律50,000円 |
参照:国税庁「生命保険料控除」
手続きは、保険会社から送られてくる「証明書」を、年末調整の書類と共に会社に提出することで可能です。
年金積立・ふるさと納税・カード支払いでお得に節税
「所得控除の制度以外にも、もっと積極的に節税したい」というシングルマザーにおすすめなのが、iDeco(イデコ)やふるさと納税制度です。
また、支払い方法を現金からクレジットカードへと変更すれば、納税しながらお得にポイントを貯めることもできますよ。
iDeco(イデコ)
個人型確定拠出年金iDeco(イデコ)は、加入者が毎月一定金額を積み立て、自分で作り上げる年金制度です。
定期預金・保険・投資信託といった形で積み立てた金額は、「所得控除」の対象となるので、所得税と住民税を節税することができます。
iDeco(イデコ)の積立は月額5,000円から始めることが可能。
1,000円単位で上乗せすることもでき、会社員であれば月額23,000円が上限となります。
年間に積み立てた金額の全てが控除対象となるので、月額10,000円の場合、120,000円が所得控除の対象です。
住民税率10%、所得税率は最低の5%で計算した場合、
住民税 | 120,000円 × 10% = 12,000円 |
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所得税 | 120,000円 × 5% = 6,000円 |
合計18,000円が手元に残る計算となりますね。
通常の資産運用であれば20%が課税対象となることに対し、全てが「非課税」となるiDecoは、大きな節税対策へ繋がります。
しかし、あくまでも年金のための積立であるiDecoは、60歳まで引き出すことができません。
節税のための資金運用が日々の生活を圧迫しないように、利用の際は、先を見越したうえで加入を検討するようにしましょう。
ふるさと納税
ふるさと納税は、自治体に寄付をすることで、寄付金控除を受けるとともに、返礼品をもらうことができる節税法です。
野菜やお肉のような食品から電化製品まで、様々な品物が返礼品に充てられていることから、一度は興味を持った方も多いのではないでしょうか。
ふるさと納税の寄附金の中で、自己負担額の2,000円を除いたすべての額は所得控除の対象となります。
ふるさと納税の控除を受けるためには、原則として確定申告の手続きが必要です。
会社から給与をもらっているシングルマザーで、寄付先が年間5自治体以下の場合には、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が適用されるため、申請書で手続きをすることもできますよ。
ふるさと納税の上限額は、年収や家族構成・居住地によっても異なります。
上限額を超えていると控除の対象とならないため、確実に節税につなげるためには、あらかじめ自分の上限額を確認しておくことが大切です。
税金の支払いにはクレジットカードを使おう
住民税や自動車税・固定資産税などの地方税は、クレジットカードで支払うことができます。
2017年からは、法人税や贈与税のような国税の支払いにも、クレジットカード支払いの幅は広がりました。
クレジットカードで税金を支払う一番のメリットは、ポイントがたまることだと言えるでしょう。
また、現金を引き出す手間や支払い窓口まで行く必要もないので、時間を節約することもできます。
一方、クレジットカードでの納税は領収書が発行されなかったり、手数料が発生するといったデメリットもあります。
税務署窓口での発行には日数を要することもあるため、急ぎで納税証明書が必要な場合には注意が必要です。
双方を照らし合わせた上で、賢い支払い方法を選びたいですね。
クレジットカードで節約!シングルマザーにおすすめクレジットカード3選スポンサーリンク
まとめ|お金に関する知識を増やしてかしこく節税しよう!
今現在の生活はもちろん、子どもの将来のためにも、今あるお金は賢く使わなければなりません。
節税対策を知っている・知らないでは、年間を通して手元に残る金額に大きな差がでます。
知らない間に損をしないためにも、ぜひお金に関する正しい知識を身につけて、節税対策へと活かしていきましょう。