経済協力開発機構(OECD)の調査によると、現在就労している日本のひとり親世帯の子どもの貧困率は56%だと言われており、先進国の中でも最悪の数字です。
親権を持つのは圧倒的に女性が多く、日本のひとり親世帯の中で母子家庭は85%を占めています。
であるにも関わらず、離婚後に元夫から養育費を受け取っている母子家庭は50%にも満たないと言われているんです。
日本では離婚時に裁判をするという家庭が少なく、養育費の取り決めをせずに夫婦の話し合いだけで離婚に至るケースが多いことが、シングルマザーが養育費を受け取れていない原因のひとつとなっています。
元夫の浮気や不誠実な性格が離婚の原因になる場合は「一刻も早く別れたい」と思う女性も多いですよね…。
また、女性は結婚や出産を機に退職したりパートに切り替えることが多く、どうしても収入が低くなりやすい傾向にあります。
「今月もまたお金が足りない…」
「どうやってこれから子供を育てていこう…」
養育費ももらわないまま、社会復帰にも時間がかかる状態でシングルマザーとなれば、貧困となってしまうであろうことは残念ながら容易に想像できてしまいますよね。
貧乏シングルマザーが貧困から抜け出す方法は、3つしかありません。
- 再婚する
- 収入を増やす
- 公的支援を受ける
詳しくみていきましょう。

シングルマザーが貧乏を脱出する方法3つ
経済力のある男性と再婚する
経済力のある男性との再婚はもっとも素早く貧乏から抜け出すきっかけになります。
もちろん、お金の為だけに結婚するわけにはいきませんが、将来を共にできる可能性がある男性ならば「再婚の選択肢もある」という気持ちでいるのと、「絶対に再婚はしない」と決めている気持ちでいるのとは、自然と男性との出会いの回数が変わります。
また、経済的な面だけでなく、子供を女手ひとつで育てるのは心理的にも負担が大きいですよね。
再婚は子供との相性もあるので簡単ではありませんが、シングルマザーが再婚するときの決め手は「子供の後押し」が多いようです。
例えば、2018年に結婚した女優の宮沢りえさんとV6の森田剛さん。
当時9歳の宮沢りえさんの長女は森田さんを「剛くん」と呼んでいたそうですが、ある時から「パパ」と呼ぶようになったことで森田剛さんと宮沢りえさんは結婚を決意したそうです。
思わず目頭が熱くなりそうなエピソードですが、子供がパパと認める男性とならば、再婚してもいいかなと思いますよね。
「男性と出会うきっかけがない…」
忙しいシングルマザーの中には「男性との出会いのきっかけさえないからどうしようもない」と、最初から諦めているいう方も多くいると思います。
ですが、待っているだけでは出会いは訪れません。
男性との出会いがないシングルマザーでも、無料の婚活アプリや結婚相談所で、再婚相手をみつけた人もいるんですよ。
少し積極的になる、出会いのきっかけを逃さないようにする、おしゃれをする…これだけで、理想の男性と出会える確率はグンとあがります。



収入を増やす
シンプルに仕事量を増やせば収入も比例して増えます。
特に子供が小学生以上になれば手がかからなくなってきて、仕事を増やしやすくなりますよね。
副業をする
今の環境を変えずに収入を増やす一番簡単な方法は「在宅でできる副業をはじめること」です。
「子供に寂しい思いをさせてしまうかもしれない…」
そんな不安がある方は、自宅でできるクラウドソーシングで仕事を探せば、子供のそばにいながら仕事をすることができます。
在宅で仕事ができたらいいなと思うママは多いですよね。
最初は生活費を賄えるほどの収入を副業だけで稼ぐことは難しいですが、時給ではなく実績で報酬が決まるシステムなので、スキルが自分の中に溜まっていけば右肩上がりに収入が上がる可能性が高まります。
シングルマザーの方でクラウドソーシングを利用して仕事をしている方は多く、最初は副業として仕事をし、十分な収入を稼げるようになってから「フリーランス」という働き方に切り替える方もいらっしゃるんですよ。
雇われて自分の時間を切り売りする仕事ではなく、能動的に仕事に取り組むことで充実感もでてくるでしょう。
また、子供が自立した後にキャリアとして残ることもメリットで、子供のためや生活費のためだけでなく、自分自身の将来のキャリアとしても役立ちます。


転職する
突然ですが、今あなたが働いている職種の平均年収はいくらですか?
年収は「働く業界や職種」によって年収が大きく変わることをご存知でしょうか。
- IT・通信系エンジニア 【平均年収 395万円】
- 販売・サービス職 【平均年収 296万円】
下記は、求人情報・転職サイトdoda(デューダ)による「2018年 女性の平均年収職種ランキング」です。
上の2つ職種はどちらも特別な資格など必要ない職種です。
にもかかわらず、年収の差はなんと「99万円」もあるんです。
介護職のように実務経験を積みながら資格を取得し、キャリアを積むことができるような職種であれば、下積み時代の年収が低くても問題ないでしょう。
ですが、大きなステップアップが見込めず、昇給するかも不確実な会社に長く勤めているのは勿体ないかもしれません。
長年同じ会社で働き続けても、昇給するには時間がかかりますし、必ず昇給するとも限りませんよね…。
もしあなたの仕事が「キャリアを積めない」「大きな昇給を見込めない」職種や業界であれば、転職することも視野にいれておきたいですね。


資格を取得する
転職するならば、いっそのこと資格の取得にチャンレンジするのもひとつの手です。
特にシングルマザーの方であれば、資格を取得するための支援が多く設けられています。
手に職をつけ、経済的にも社会的にも自立しようとする母子家庭のためにある制度なので、興味のある方は積極的に利用しましょう。

下記は、代表的な公的資格取得支援制度です。
自立支援教育訓練給付金
扶養中の子供が20歳に満たないシングルマザーとシングルファザーが受けられる支援です。
各都道府県が定める対象の教育訓練を受講し、修了した場合は資格を取得するまでの経費の60%にあたる12,001円以上、200,000円以内を上限とする金額が支給されます。
介護士・保育士・調理師・歯科衛生士・エンジニアなど多くの職業が対象講座となっています。
子育てをしながら勉強するのは大変ですが、お金だけのためでなく自分自身の今後の人生のキャリアのためも後々役立ちます。


高等職業訓練促進給付金等事業
20歳未満の子供を扶養するシングルマザーとシングルファザーが受けられる支援です。
指定されている職業の資格取得のために、1年以上養成機関で修行する場合は、生活と資格取得の負担を軽減するため高等職業訓練促進給付金が月額70,500円〜100,000円支給されます。
*3年を限度とする修行中全期間
また、養成修了時には高等職業訓練修了支援給付金が25,000円〜50,000円が支給されます。
主な資格は、看護師・介護福祉士・保育士・歯科衛生士・理学療法士などになり、就職の有利になる資格ばかりです。
資格取得の難易度は簡単ではありませんが、取得した場合は確実に将来のプラスになるでしょう。



公的支援を受ける
シングルマザーの就労による収入は、年収200万円を割っている家庭が多く、養育費や国からの手当がなければ生活が非常に厳しいのが現実です。
辛い時期は無理をせず、生活が苦しいシングルマザーの方は是非とも公的支援を受けましょう。
公的支援を受けることは恥ずかしいことではありません。
援助を受けている母子家庭はたくさんいます。
児童扶養手当
20歳未満の子を扶養しているシングルマザー又はシングルファザーが受けられる手当てです。
所得に応じた金額になりますが、
- 子供が1人の場合:最大42,500円
- 2人以降:約5,000円〜10,000円
子供が18歳を過ぎた最初の3月31日まで手当てを受けられます。
児童手当
義務教育が終わる中学校修了までの間、国内に住所がある全ての児童に支給される手当です。
所得制限はありますが、以下の金額が支給されます。
- 0歳~3歳未満の子供:一律15,000円
- 3歳~12歳の小学校卒業までの第一子と第二子:10,000円/第三子:15,000円
- 中学生の子供:一律10,000円
その他にも地方自治体によりますが、母子家庭向けの住宅手当や医療費助成制度、また身体的・精神的に障害を持つ子供に対しての手当ても用意されています。
その他、教育費の無償支援など
その他、2019年10月から始まる子育て支援制度「幼児教育・保育料無償化」や、母子家庭や父子家庭といった低所得者世帯を対象とした、2020年4月から始まる「高等教育の無償化」など…
シングルマザーに心強い公的支援は年々手厚くなっています。
これらの支援をフルに活用すれば、精神的なプレッシャーも少しは軽減するはずですよ。

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まとめ
貧乏シングルマザーが貧困を抜け出すための3つの方法をご紹介させていただきました。
生活費を節約することを努力することも忘れずにいたいですが、やはり貧乏生活から抜け出すためには「収入を増やす」ことが一番の近道です。
最初はお金にならない副業や、子育てをしながらの資格取得というのは簡単なことではありません。
ですが、コツコツ続けて副業である程度稼げるようになったり、資格の取得に成功すれば、その後の人生も家計も一気に楽になるはずです。
子供が自立してからも貧乏生活に苦しみ続けるよりも、長い人生の中のどこかで集中的にスキルを高めることに時間をかけるほうがいいですよね。
子供に手がかからなくなってからの人生の方が長いはずなので、長期的な目線で考えるならば、1年〜2年踏ん張ってみるのも悪くはありません。
今は辛い毎日でも、正しい方法で前を向けば必ず好転する時がきますよ。
未来を見据えてポジティブに生き抜きましょう!
