バツイチの未婚の母として出産、37歳でシングルマザーになったnaokoです。
私は、36歳の頃に付き合った男性との間で妊娠。
そのまま結婚することなく37歳で出産し、「未婚の母」となりました。
妊娠した時は驚きましたが、相手の男性と結婚したい気持ちがまったくなかったこともあり、それほど迷うことなく「未婚の母」を決断しました。
とはいえ、「未婚の母」になると決めてからも、子供を産んだ後も、複雑な思いや困ったことがなかったかといえばウソになります。
ですが、未婚の母であることのメリットも少なからずありました。
未婚の母からシングルマザーとなった私の体験をもとに、
- 未婚の母になる決意
- 子供の認知
- 未婚の母であることのメリット・デメリット
など、ご紹介していきます。
未婚の母になる決意をするまで
25歳で結婚した相手(元夫)とは、セックスレスが原因で10年間子供ができませんでした。
その後、「子供が欲しいから」という理由で離婚した私は、年齢のこともあり「誰かと再婚したい」というより、「産むなら、早く産まなければ」と、妊娠・出産を焦っていたと思います。

そんな36歳の頃、かなり強引にアプローチされて付き合い始めた男性がいました。
年齢的に焦っていたこともあり付き合ってしまったのですが、数か月一緒にいる間に、
「やっぱりこの人と、一生付き合うのは無理だ」
このように感じて、別れを切り出そうと思っていた矢先に妊娠が判明したのです。
もし、私がもっと若かったら、未婚の母にはなっていなかったでしょう。
でも、当時36歳だった私には、子供を産める年齢の猶予はあまりありませんでした。
今産まなかったら、その後いつ妊娠するかもわからないし、一生子供を産めなくなる可能性もあるのです。
中絶後になかなか妊娠できず、不妊治療に苦労していた友人の顔もチラつきました。
そう考えると、相手の男性に対する感情の問題を別としても、すぐに中絶という選択をする気持ちにはなれませんでした。
もちろん、相手の男性には妊娠のことを伝えました。
彼の方からアプローチされて付き合いだし、最初から「結婚したらこんな家庭にしたいね…」などと調子よく話していたわりに、妊娠を告げた時の反応は、
「子供なんて…時期尚早じゃない?」
ただこの一言だけ。
その言葉を聞いて、私はきっぱりと別れを決めて彼の元を去りました。
そんな男なら一緒にいても意味はないと腹をくくり、子供は私が守ると決めて、未婚の母になる決断をしたのです。


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未婚の母が直面する認知の問題
子供の父親がそんな男性だったので、私は認知を希望していませんでした。
認知をしてもらえば、親子関係が結ばれ、養育費を請求することができます。
しかし、私はその男性ときっぱりと縁を切りたかったので、認知をしてもらおうとは考えもしませんでした。
実際、別れた後に一度も連絡したことも会ったこともないですし、これまで1円も養育費をもらったことはありません。
この決断は、当時私はフルタイムで働いており「親子2人、なんとか私の稼ぎで暮らせるだろう」と思ったからできたことです。
もし金銭的に厳しい方であれば、相手の男性に「認知」をしてもらって養育費をもらう方がいいと思います。
結局、私もシングルマザーとなってから、自分のお給料だけでは生活が苦しいときがあり、児童扶養手当のおかげで大変助かりました。
この手当に養育費が加わる方が、より気持ち的にも金銭的にも楽だったとは思います。


未婚の母のデメリット
ここからは、私が未婚の母となってから感じたデメリットを紹介します。
未婚の母=不幸という偏見
当然、実家の両親にも、自分が「未婚の母」になると決めたことを報告しなければなりません。
ただ、これは私にとってなかなか勇気のいることでした。
私の母は、昔ながらの保守的な人間だったので、未婚の母になるなんて到底理解してくれるとは思えなかったからです。
母や父からすれば、長女である私が未婚の母になるなんて、恥ずかしくて人様に言えることではないのです。
両親と自分の生きてきた時代が違えば価値観もおのずと固まってしまうので、「未婚の母」というだけで、
「恥ずかしい」
「バカな娘」
「生まれてくる子供がかわいそう」
このような色眼鏡でみられてしまいます。
両親に限らず、世間の目は「未婚の母=不幸」というレッテルを貼りがちです。
自分自身がしっかりしていないと、そういうレッテルや偏見に押しつぶされ、本当は不幸じゃないのに自分は不幸だと思い込んでしまうこともあると思います。
幸い、私は他人の目を気にするタイプではありませんでしたが、それでも、産婦人科でご主人に付き添われてやってくる女性をみて、胸がキュッと苦しくなることもありました。
母子手帳の「父親」の欄が空欄になっているのをみるにつけ、娘を不憫に思ってしまうこともありました。

1人で仕事・家事・育児をしなければならない
なんとか両親にも理解してもらい、実家で里帰り出産した私は、育児休暇が明けたあと、仕事に復帰するために元々自分が住んでいた町に戻りました。
娘がまだ、生後4か月の時です。
引っ越しが落ち着き、
「今日から娘と2人だけで暮らしていくんだ」
こう思ったとき、漠然と不安になったことを今でも鮮明に覚えています。
それまで娘の入浴やお世話などを手伝ってくれていた母や父はおらず、これからは全部1人でやらなくてはならない…わかっていたはずなのですが、やはり1人で子育てするのは大変だと、初めて実感が湧いた瞬間でした。
未婚の母に限らずシングルマザーの方すべてに当てはまることですが、仕事と家事、まだ慣れているとはいえない育児を1人でこなすのは大変なことです。
仕事中は保育園に行ってはいるものの、意外に困ったのは美容室に行けないことです。
当時の娘はとても人見知りだったこともあり、私と離れるのをとても嫌がりました。
実家は遠いので「美容室だから」といって母に来てもらうわけにもいかず、なんとか託児付の美容室を探しました。
「もし夫がいたら、子供をみていてもらえるのに…」
よくこう感じたものです。
のちに、託児を引き受けてくれる「ファミリーサポート」という地域のサービスに登録したことで、1人で育児を抱え込まずにすみ、とても助かりました。

お金の問題・生活が苦しい
私は子供を認知してもらわなかったので、養育費がもらえません。
自分のお給料と、自治体からひとり親家庭に支給される「児童扶養手当」が基本的な生活費でした。
自分の給料については、1人暮らしだったときはそれなりに生活できていたので心配はしていなかったのですが、よくよく考えると、
- 出産前は残業代が加算されていたので、それなりのお給料になっていた
- 出産後は残業ができず、少ない基本給で生活しなければならない
こう気づきました。
また、子供は保育園でいろいろな病気をもらってきますよね。
頼れる両親が側にいない私は、仕事をしょっちゅう休まなくてはならず、有給制度のない会社だったこともあり、お給料が減ってしまい生活費がかなり苦しかったのは事実です。
そんなときでも、
「やっぱり認知してもらえばよかった」
「養育費をもらえればよかった」
こうはまったく思いませんでしたが、1人で子供を育てる大変さをかみしめながら、自分の服や化粧品などはなるべく安く済ませ、とにかく生活を切り詰めて暮らしていました。


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未婚の母のメリット
このように未婚の母になることはデメリットが多いように思われますよね。
しかし、私は未婚の母ならではのメリットもたくさんあると思います。
夫に対するストレスなし
まず、夫に対するストレスを感じる必要がないことです。
もちろん、夫がいて2人で子育てをしたほうが、生活面・金銭面ともに楽なことが多いでしょう。
ですが、
「仕事ばかりで、家事や育児はすべて母親まかせ」
「稼ぎが悪いくせに、お金遣いが荒い」
「自分の趣味ばかりに没頭している」
世の中には、正直“どうしようもない夫”も多いのではないでしょうか。
未婚の母は、最初から夫がいませんので、そんな夫にイライラして神経をすり減らす必要はありません。
赤ちゃんの頃から、子供のことだけに集中できるんです。
また、子育ての方針についても父親となる男性ともめることがありません。
自分の目指す方向で子育てや教育することだって可能なんです。
自分さえ満足していれば、これほど「自由」な暮らしはないと私は思います。
奥さんと子供を心から愛し、できる限りのサポートをしてくれる男性であれば、一緒に生活し子育てをしていきたいですが、そうじゃないなら、身軽に自由に子供と暮らしていくほうがよっぽど楽しくて気が楽です。

親子の絆が深まる
未婚の母は、他に育児を代わってもらう人がいない分、子供とずっと向き合うことになります。
それが時に辛くなることもあるかもしれませんが、私の場合は日中保育園に娘を預けていたので、保育園に迎えに行ってからは2人の大切な時間でした。
毎日毎日、なんとか仕事を切り上げ、急いでお迎え・買い物。
急いで夕食を作って食べさせたら、お風呂。
すぐに寝る準備をし、寝かしつけ…
本当にあっという間に一日は過ぎ去っていきますが、その間は何をするにも子どもと一緒なわけで、普通の家族以上に、お互いがお互いにとって特別な存在になると思います。
これはうちの場合だけかもしれませんが、私は妊娠中からお腹の子供に向かって話しかけていました。
家にいるときは、話しかける相手がお腹の子供しかいなかったからです。笑
生まれてすぐの赤ちゃんのときも、話しかける相手は娘しかいません。
だから、赤ちゃんに話しかけるというより、わりと普通に0歳児の娘に話しかけていました。
そのおかげか、娘は本当に言葉が早く、1歳の時には保育園の先生から「娘さんと話していると大人と話しているみたいです」と言われたこともあります。笑
これがいいことか悪いことなのか分かりませんが、いつの間にか娘はちゃんと私の話し相手になってくれましたし、よくお手伝いをしてくれるのは、親子2人しかいない分、
「子供の自分だって、れっきとした家族の一員」
こんな家族としての役割を実感するからだと思います。

周囲への感謝の心をもてる
未婚の母になって一番思うのは、周囲のいろいろな助けがなかったら、やはりシングルマザーとして暮らすのは大変だったということです。
実家の両親や妹、そして託児をしてくれるファミリーサポートの方には、本当に日々の暮らしにまつわるサポートをしてもらいました。
今は子連れ再婚し、パパやおじいちゃん・おばあちゃんもできましたが、当時は本当に1人きり。
助けてくれる人たちがいなければ、仕事と子育てを両立していけたかどうか自信がないです。
保育園や幼稚園の運動会では「父親がいなくて娘が寂しく感じないように」と、友達たちに応援に来てもらったこともありました。
娘の誕生会も「親子2人じゃ寂しいだろうから」と、男女問わず友人たちが我が家に集まり、わいわいとお祝いをしてくれました。
パーティー代は、「生活が大変なんだから」と、友人たちがもってくれることもありました。
本当の家族のように娘をかわいがってくれる友人たちには、感謝してもしきれません。
小学校2年生になった娘は、今でもその友人たちにとてもなついていて、親せきのように感じていると思います。
このように、未婚の母だったからこそ、自分をさらけ出して友人たちともより深く付き合うことができたし、より強く周囲への感謝を感じるようになれたと思います。
そして、もう1人、感謝してもしきれない、ある女性がいます。
その女性からの一言が、「未婚の母」である私を一番支えてくれたからです。
その女性とは、私と娘が暮らしていた家の近所に住む、60代の芸術家の女性です。
ご主人と二人暮らしのその女性には子どもがおらず、よちよち歩きの娘と私に気軽に話しかけてくれて、あるとき、立派なご自宅に招待してもらったのです。
芸術家の女性といろいろ話をしていく中で、私は自然と、
「実は、未婚で娘を産んだんです…」
未婚の母であることを、芸術家の女性に話していました。
「あらー、そんなのフランスでは普通のことよ。あなた、日本では最先端なのよ!」
芸術家の女性は、こう言って笑いました。
彼女はパリで何度も個展を開いたことがあり、フランス事情に詳しい方でした。
あとで調べてみると、確かにフランスなどのヨーロッパでは、婚姻しないで出産する女性が多いとのこと。
「そうか!私は最先端なんだ!」
こう思うと、なんだか嬉しくさえ思えてきたことを思い出します。
その芸術家の女性はもう亡くなってしまいましたが、サラリと私を元気づけてくれた彼女のことを、私は一生忘れないし、心から感謝しています。

子連れ再婚の幸せがある
私は42歳のとき、子連れで再婚をしました。
もし離婚した上でシングルマザーになっていたら、娘にはすでにパパがいるわけですが、私は未婚の母で娘を産んで認知もしていなかったため、娘には名実ともにパパはいません。
なので、子連れ再婚してできたパパが、娘にとって初めてのパパになりました。
再婚当時、娘がまだ3歳だったこともあり、「今までのパパが誰か別の人になった」のではなく、「これまでいなかったパパが突然できた」ため、子供にとって受け入れやすかったのではと思います。
もちろん、各家庭の事情や子どもの性格によるので一概にはいえませんが、うちの場合は、私が未婚で産んで認知もしてもらわなかったからこそ、その後に出会った素敵な男性が、娘にとって「たった1人のパパ」になったことをとても嬉しく思っています。
そして、本当なら再婚した彼との間に子供ができれば一番なのですが…私の年齢的に妊娠することはありませんでした。
やっぱりあのとき、未婚の母として37歳の時に子供を産んでいなければ、私も再婚した彼も、親になることはなかっただろうと思うと、あのとき「未婚の母として出産したこと」は間違いじゃなかったんだと思っています。


まとめ
私は、元々「未婚の母」であることに引け目は感じていなかったし、その後に出会った芸術家の女性の言葉にさらに勇気づけられ、比較的楽しく「未婚の母」としてやってきました。
結局は「未婚の母であること」に対して、あなた自身がどう捉えているかによるのだと思います。
未婚の母の捉え方によって、メリットをたくさん感じることもあれば、デメリットばかり感じてしまう人もいるでしょう。
今、未婚の母として頑張っているシングルマザーの方にぜひ伝えたいのは、
「日本ではまだ世間の目を気にすることがあるかもしれないけれど、世界的にみれば未婚の母はなにも珍しくないし、ごく普通のこと」
ということです。
もちろん、お金のことや子供のことなど…日々いろいろな苦労はあると思います。
ですが、“最先端のお母さん”として自信を持って仕事や子育てを前向きに捉えると、気持ちが楽になることもありますよ。