日本のシングルマザーは海外よりも貧困率が高く、多くの母子家庭がお金に関する悩みを抱えています。
なぜ日本のシングルマザーの貧困率は高いのでしょうか…。
20代前半で離婚した後シングルマザーとなり、再婚を経て、現在は幸せなステップファミリーを手に入れた筆者ですが、私も母子家庭時代は毎月カツカツの生活を送っていました。
この記事では、
- シングルマザーの貧困率が高い理由
- 貧困母子家庭の苦悩
- 貧困から脱出する方法4つ
それぞれ順を追ってご紹介していきます。
シングルマザーの貧困率が高い理由
繰り返しになりますが、シングルマザーの多くが貧困に悩んでいます。
ここではまず、日本のシングルマザーの貧困率が高い理由3つを紹介しますね。
1. 収入が少ない
シングルマザーの約半数がパートなどの「非正規雇用」であることが、シングルマザーが低収入となってしまう一番の理由です。
厚生労働省の調査結果でも、43.8%のシングルマザーがパートやアルバイト。派遣社員を含めると、約48.4%の人が「非正規雇用」で働いています。
特に子供が小さいうちは、
「子供が熱を出したから、保育園に迎えにいかなくちゃ」
子供のことが最優先となりがちなことから、勤務時間の融通が効く「パート形態」で仕事をしている母子家庭のお母さんは多いです。
時間給のパートで働いていると、働けない日は当然お給料も減ってしまいます。
また、ボーナスももらえませんので、安定した収入を確保するのが難しいのです。

2. 養育費を受け取っていない
シングルマザーの貴重な収入源のひとつに、元夫から受け取る権利のある「養育費」があります。
しかし、実際に養育費を受け取っているシングルマザーは24.3%しかいないという統計結果が出ています。
つまり、全母子家庭のうち、大半のシングルマザーは養育費を受け取っていないのです。
私の友人シングルマザーには、まだ小さい子供がいるのですが、DVが理由で離婚したこともあって、
「もう二度と関わりたくない」
元夫との縁を完全に切っているシングルマザーもいます。
元夫に「養育費を払う気がない」など…さまざまな理由で、養育費をもらわない/もらえない家庭が多いのです。


3. 公的支援の利用率が低い
シングルマザーを支援するための支援や制度はいくつかありますが、その制度を知らなかったり、申請をする暇がなかったりと利用率が低いことも貧困の原因となっています。
実際に私自身、離婚した後しばらく実家で子供と暮らしていたのですが、私の父の収入が定められた金額を上回っていたために、
「児童扶養手当を受給できない」
このように役所から言われたことがあります。
その後、引っ越しをして児童扶養手当を申請できる環境にはなったものの、自治体が家から遠いうえ毎日仕事で忙しく、結果的に児童扶養手当を受給したのは、離婚してから随分後のこととなってしまいました。

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貧困母子家庭の苦悩
シングルマザーの人たちは、貧困によりさまざまな悩みを抱えています。
そんなシングルマザーたちが抱えるお金の悩みをいくつかご紹介します。
貯金ができない
シングルマザーが実家暮らしをしていれば家賃を支払わずに済みますが、やはり子供がいますから、賃貸住宅に部屋を借りるシングルマザーは多いのではないでしょうか。
私の友人シングルマザーは、最近実家を出てお子さんと二人暮らしを始めたのですが「なかなか貯金ができない」とのこと。
「家賃だけで5万円がなくなっちゃうから…」
こう言って、金銭的にカツカツの状態で過ごしていると苦労を語っています。
母子家庭では、基本的に母親の収入が頼りです。
家賃・生活費・子供の教育費など出費は嵩む一方で、貯金する余裕なんて全くなかったりしますよね…。
子供の将来のために少しでも貯金をしておきたいものの、金銭面で全く余裕がないのがシングルマザーの悩みでもあります。

子供のしたいことをさせてあげられない
金銭的に余裕がない状態では、子供がしたがっている習い事や欲しがっているものを買ってあげることができません。
私がシングルマザーだった頃、保育園が休みの日に、
「子供をどこか遊びに連れていってあげたい」
こういった気持ちは大きかったものの、水族館や動物園など、料金が高い場所へはなかなか連れていってあげることができませんでした。
お金のかからない公園で遊ぶことが多く、流行りの場所へはなかなか遊びに連れていってあげられず、よく辛い思いをしたものです。

裕福なママ友に嫉妬して自己嫌悪
恥ずかしい話ですが、裕福な家庭の子供やママ友をみて嫉妬をしたり、
「なんで私だけ、こんなにお金のことで苦労しなきゃいけないの…」
このように妬んでしまうことが何度もありました。
嫉妬をする自分自身のことも嫌になりますし、とはいえ、お金の問題はすぐに解決するものでもなく…負のスパイラルに陥ってしまったこともあります。



貧困母子家庭を脱出する方法4つ
多くのシングルマザーが貧困で苦しんでいると思いますが、貧困から逃れるためには、さまざまな制度を活用して支援を受けたり、生活環境を変える必要があります。
ここからは「貧困母子家庭を脱出する方法4つ」をご紹介します。
1. 節約で無駄な出費を減らす
少しでも無駄な出費を抑えて、子供のためにお金を残したいですよね。
そうするためには、まず細かいことでも節約を心がけることが大切です。
まずはできることから節約を心がけ、無駄な出費を見直してみましょう。
私も実際にやっていた「気軽にできる節約術」は以下の通りです。
食材のまとめ買い/まとめて料理する
調理時間を短くすることで、高熱費を抑えることができます。
料理の手間も、お金も節約できて一石二鳥です。
食事のボリュームを増やす工夫をする
食べ盛りの男の子がいるご家庭などでしたら、一品のおかずにボリュームを出すのもおすすめです。
例えば、ハンバーグなら豆腐やパン粉を多めに使ったり、炒め物はもやしやジャガイモを多めに入れてカサ増しするなど。
ボリュームのあるご飯を楽しめますよ。
値引き品を買う
スーパーで夕方の値引きシールを貼るタイミングを狙い、お買い物するのもいいですね。
そのほかにも、電車一駅分なら歩くようにする、など小さな意識でできる節約はたくさんあります。
塵も積もれば山となるという言葉のように、毎日少しずつ節約することが大事です。

2. 母子家庭向け公的支援を受ける
日本ではシングルマザーを支援する公的な制度がいくつかあります。
母子家庭が受け取ることのできる代表的な手当ては、児童扶養手当・児童手当・医療費助成制度・住宅手当てです。
児童扶養手当 | 母子・父子家庭を対象にした制度で、その家庭の所得や子供の数によって手当てが支給されます。 0歳から18歳に達して最初の3月31日までの子供がいる世帯が対象になります。 所得に応じた支給額のため、正確な金額は住んでいる自治体窓口で確認しましょう。 |
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児童手当 | 日本に住み、0歳から15歳に達して最初の3月31日までの間の子供がいる世帯が対象になります。 この手当てには所得制限限度額が設定されているため、制限以上の所得の世帯は、特例給付として児童1人につき毎月5,000円が支給されます。 |
医療費助成制度 | ひとり親世帯の支援制度で、0歳から18歳に達して最初の3月31日までの間の子供がいる世帯が対象になります。 医療費のうち、保険診療の自己負担分の一部または全部を助成してくれます。 自治体によって詳しい内容は違ってきますので、窓口で確認してください。 |
住宅手当 | ひとり親世帯で民間の賃貸住宅に住んでいる場合に利用できる制度です。 住んでいる地域によっては、制度がない場合や子供の年齢や所得制限に条件がある場合があります。 |
上記の制度以外にも、税金が免除される制度や保険料や年金が免除される制度など、ひとり親世帯に向けた制度がありますので、お住まいの自治体で確認してみてくださいね。

3. 副業で稼ぐ、転職する
公的支援に助けられてはいても、金銭問題や将来への不安をなかなか取り除けないのがシングルマザーの本音ですよね。
副業で稼ぐ
そのため、副業など「スキマ時間を利用して稼ぐ」こともひとつの方法です。
私の友人シングルマザーのなかには、週末は実家に子供を預け、アルバイトをしているという人もいます。
私の場合は両親がまだ働いて頼れない状況でしたので、子供を保育園に預けている間はパートに出て、夜は家でできる在宅ワークをしていました。
このようにいくつか仕事を掛け持ちしてやりくりしているシングルマザーは、実際に多いものです。

転職する
また、思い切って転職をしてみるのもおすすめです。
資格をとるまでは苦労しますが、国家資格にチャレンジするなど「手に職」をつけておくと、将来的な不安も軽減されますよ。

雇用形態を変える
パートで働いているという方は、働き方を変えることも視野にいれましょう。
働き方や働く時間の融通が効く派遣社員は、収入を少しでも安定させたいシングルマザーにおすすめです。

再婚する
シングルマザーにとって一番幸せな貧困脱出方法は「再婚する」ことかもしれませんね。
子供にとっても「パパ」が出来ますし、金銭面でも精神面でも頼れる男性ができることは、本当に心強いことでしょう。
こればかりは「ご縁」があってのことですので、確実に再婚する方法をみつけるのは難しいかもしれません。
ですが、重要なことは「いつもポジティブ & アクティブ」でいること。
「私なんてどうせバツイチ子持ちだし…」
「こんな子持ちのオバサン、もう誰も好きになってくれないよ…」
こんな気持ちでいると、恋愛のチャンスを逃してしまいます。
たまにはオシャレをして前向きに活動してみましょう。
下記は「再婚の出会いのきっかけ」に関する体験談をまとめた記事です。
私もそのひとりですが、たくさんのシングルマザーが再婚に前向きになり、実際に再婚して幸せなステップファミリーを手に入れています。
*私の再婚体験談は下記からどうぞ
» シングルマザーの出会い・再婚のきっかけ体験談【総まとめ】


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貧困から抜け出そう
シングルマザーが貧困から抜け出すためには、活用できる公的制度を利用しながら、少しずつ環境を変えることが大切です。
貧困で悩んでいる母子家庭は多いのですから、周りのシングルマザーと協力しあったり、情報交換したり、あなたの負担や不安を少しでも減らすことも大切です。
まずはできることから環境を変えていきましょう。